特許要件

拒絶理由(⇔特許要件)

・新規事項を追加する補正
・外国人の場合の権利享有規定の違反
・産業上利用可能性がない
・新規性がない
・進歩性がない
・拡大された先願の地位に抵触
・不登録事由
・共同開発の場合の要件の違反
・先願でない
・条約に反する
・明細書の所定の要件違反
・発明の単一性の違反
・外国語書面出願の場合の要件の違反
・冒認出願

(拒絶理由/補外産新進拡不共先条明発外冒)=14件

【該当条項】拒絶理由

第49条

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【該当条項】外国人の権利享有規定

第25条

外国人が特許権などの権利を享有できる場合

・日本国内に住所または居所(法人にあっては営業所)を有する
・平等主義を採る国の国民である
・相互主義を採る国の国民である
・条約に別段の定めがある

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【該当条項】産業上利用可能性

29条1項柱書

産業上利用可能性のある発明でないもの

・人間を手術する方法
・人間を治療する方法
・人間を診断する方法
・個人的にのみ利用される発明
・学術的・実験的にのみ利用される発明
・実際上、明らかに実施できない発明

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【該当条項】新規性

29条1項

新規性のない発明

・出願前に日本国内または外国において公然知られた発明
・出願前に日本国内または外国において公然実施をされた発明
・出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された発明または電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明

新規性の判断の時期的基準の最小単位

時分

「日本国内または外国」に含まれない場所の例

・火星
・公海

「頒布」の要件

・配布を受けた者が1人であっても、頒布に該当
・配布を受けた者が読むか否かは問題とされない
・図書館に到着しまたは陳列されたままで、まだ読んだ者がいないことが明らかでも、頒布に該当

「刊行物」の要件

・公開性
・情報性
・頒布性

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【該当条項】新規性喪失の例外

第30条

新規性喪失の例外が認められる場合

・自らによる、試験による公知
・自らによる、刊行物発表・電気通信回線を通じた発表による公知
・自らによる、特許庁長官が指定する学術団体開催の研究集会で文書をもって発表したことによる公知
・自らによる、博覧会出品による公知
・第三者による、意に反する公知

30条1項にいう「試験」の詳細

・完成発明の技術的効果の試験のみをいう
・完成前の過程での試験は含まれない
・売れ行きの良否を試す試験、宣伝効果をねらってする試験は含まれない

30条1項にいう「発表」の詳細

・発表の主体性が必要
・特許公報(外国の特許公報も)等への掲載は含まれない

30条1項にいう「開催」の詳細

・主催、共催は問わない
・後援は含まれない

30条1項にいう「文書」の詳細

・スライド、掛図を含む
・一部しかない原稿的なものでもよい
・録音テープは含まない

博覧会出品による公知において、特許庁長官の指定が必要でない博覧会

・政府または地方公共団体が開設する博覧会
・パリ条約の同盟国、WTO加盟国の領域内でその政府またはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会

博覧会出品による公知において、特許庁長官の指定が必要な博覧会

・政府または地方公共団体以外の者が開設する博覧会
・パリ条約の同盟国、WTO加盟国のいずれにも該当しない国の領域内でその政府等またはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会

30条2項における「意に反する公知」の詳細

・詐欺、脅迫、スパイ等
・不注意については、発明者の意とするものでないことが明らかである限り、該当すると解される
・特許法を知らないで公知にしても、該当しない

発表等した発明と同一でない出願についても、新規性喪失の例外の適用対象となりうる場合

発表等した発明に基づいて容易に想到できた発明を出願する場合

新規性喪失の例外の適用を受ける手続的要件

・新規性喪失後6月以内に出願
・自らの行為による場合、適用を受ける旨を記載した書面を出願と同時に提出し、出願日から30日以内に30条4項の証明書を提出
・分割、変更に係る新出願の場合、30条4項の手続きは不要

【該当条項】新規性喪失の例外の適用を受けるための証明書の提出

30条4項

30条4項の証明書の宛先

特許庁長官

証明書の個別性

・複数の公知行為が行われた場合、それぞれについて証明書の提出が必要
・複数の公知行為が互いに密接不可分である場合には、証明書の提出は1回で足りる

国際特許出願において新規性喪失の例外の適用を受ける場合の、証明書の提出期間

国際出願日から、国内処理基準時より30日まで

公知(30条の適用対象)後、出願(30条の手続き)前に、第三者の出願(冒認を除く)があった場合の扱い

・39条では拒絶されない(第三者の出願は29条1項で拒絶となり先願の地位が残らないため)
・29条の2で拒絶される可能性はある

新規性喪失の例外における、優先権主張による出願の扱い

優先権主張による出願が、公知後6月以内でなければならない

公知(30条の適用対象)後、出願前、30条の適用対象外の公知行為がなされた場合の扱い

新規性を喪失

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【該当条項】進歩性

29条2項

進歩性の有無を判断するための前提要件

新規性を満たしている

進歩性の判断の時期的基準

出願時

進歩性の判断方法

引用発明(公知発明または公知事実)に基づいて当業者が発明に容易に想到できたことの論理づけの有無

出願後に頒布された刊行物によって進歩性を判断できる理由

出願当時の技術水準を出願後に頒布された刊行物によって認定するにすぎないため

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【該当条項】拡大された先願の地位

29条の2

拡大された先願の地位の趣旨

新規性規定と先願主義がカバーしていない範囲を埋める

拡大された先願の地位を有する先願の対象

・特許出願
・実用新案登録出願
・国際特許出願
・国際実用新案登録出願

拡大された先願の地位に抵触する出願の条件

・後願である(同日出願は含まず)
・出願後、先願について出願公開、特許掲載公報の発行、または実用新案登録掲載公報の発行がなされた
・特許請求の範囲に記載された発明が、先願の最初の明細書等に記載された発明または考案と同一
・先願と発明者が同一でない
・先願と出願人が同一でない

「発明者の同一」の詳細

発明者の完全同一をいい、一部一致をいわない

「出願人の同一」の詳細

・出願人の完全同一をいい、一部一致をいわない
・出願人の改称、相続、合併等による出願人の表示の不一致は、同一性を妨げない
・後願の出願時のみを基準とするので、その後に同一性を失っても差し支えない

29条の2における、冒認出願の先願性

・正当権利者の出願に対しては、拡大された先願の地位を有さない
・正当権利者以外の出願に対しては、拡大された先願の地位を有する

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【該当条項】不登録事由

第32条

不登録事由

・公序良俗を害するおそれがある
・公衆の衛生を害するおそれがある

公序良俗を害するおそれがある発明の例

・麻薬吸引具
・男性精力増強具

公衆の衛生を害するおそれがある発明の例

・医薬の製造方法

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【該当条項】共同出願

第38条

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【該当条項】先願主義

第39条

先後願の判断の時期的基準

出願日

先後願の判断の時期的基準の最小単位



先後願の判断における先願の対象

・特許出願
・実用新案登録出願

同一人の出願の場合の先後願の判断

行う

先に出願された特許出願・実用新案登録出願であっても、先願主義による保護から除かれる場合

・放棄
・取下げ
・却下
・拒絶査定・審決の確定(同日競願における協議不調・不能の拒絶査定・審決を除く)
・冒認

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【該当条項】発明の単一性

第37条

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冒認出願となる条件

・発明者でない
・特許を受ける権利の承継者でない