公訴

「公訴」とは

検察が裁判所に対して、犯罪について公開の法廷で確かめて処罰してくれと請求すること。捜査と公判をつなげる部分

公訴を行う者

検察官

「国家起訴独占主義」とは

検察官という国家機関のみが公訴提起をなしうる権限を持っていること

「公訴提起」と「起訴」

刑事訴訟では同じ意味

「起訴猶予」とは

訴訟条件が具備し犯罪の嫌疑があるにもかかわらず、訴追の必要がないとして不起訴にする処分

「起訴便宜主義」とは

起訴猶予を認める法制のこと

「訴訟条件」とは

訴訟が適法に遂行されるための要件。欠けた場合、それ以上訴訟が係属することなく、形式裁判によって訴訟は終了する民事訴訟における「訴訟要件」に該当

訴訟条件

・管轄違いの事由
・免訴の事由
・公訴棄却の事由

裁判2種類

・実体裁判
・形式裁判

「実体裁判」とは

被疑事実に対する裁判を内容とする有罪・無罪の判断。民事訴訟における「本案判決」に該当

「形式裁判」とは

実体に対する判断をしないで、手続を打ち切ってしまう裁判。いわば門前払い。民事訴訟における「訴訟判決」に該当

形式裁判

・管轄違いの判決
・免訴判決
・公訴棄却

免訴となる場合

・確定判決を経たとき
・犯罪後の法令により刑が廃止されたとき
・大赦があったとき
・時効が完成したとき

不当不起訴に対する対策

・告訴人などに対する不起訴の理由の通知
・検察審査会
・準起訴手続

「検察審査会」とは

一般国民から選ばれた11名の検察審査員で構成され、利害関係人の申立により、または職権で、不起訴処分の当否を審査するもの。起訴議決があると、裁判所により検察官の職務を行う弁護士が指定され、この指定弁護士が公訴を提起し、その維持にあたる

「準起訴手続」とは

公務員の職権濫用罪について告訴・告発したのに、検察が不起訴処分をしたときに、これに不服のある告訴人らが、直接裁判所に審判を請求できる。裁判所が理由があると判断して付審判の決定をすると、公訴の提起があったことになり、弁護士を検事役として訴訟が始まる

不当起訴に対する対策

・公訴権濫用論

「起訴状一本主義」とは

公訴提起は、起訴状という書面のみを裁判所に提出して行うということ

起訴状に記載される項目

・被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
・公訴事実
・罪名

「公訴事実」と「訴因」

同じと考えてよい

「訴因」とは

特定、具体化された犯罪構成事実。刑事訴訟法における訴訟物

訴因の機能

・告知機能 … 被告人の防御の対象を明らかにする
・識別機能 … 裁判所の審判の対象を明らかにする